6億ドルの売却と、新会社の設立

事実は2段階で起きました。2026年3月6日、GE VernovaはProficyソフトウェア事業のTPGへの6億ドルでの売却を完了しました。Proficyはディスクリート・プロセス・ハイブリッド製造とインフラ分野に2万社超の顧客を持ちます。GE Vernova側はGridOSなどエネルギー転換ソフトウェアへの集中を理由としています。

続く2026年3月17日、TPGはProficyに、PTCから取得した産業コネクティビティのKepwareとIoT基盤のThingWorxを統合し、独立系産業ソフトウェア企業Veloticを設立しました。売上規模は3億ドル超と公表されています。

背景:「GEの製品」だった時代の終わり

ProficyはGEの産業ソフトウェアの中核として長く販売されてきましたが、GE本体の分割(2024年)でGE Vernova傘下となり、今回さらにPEファンドの下の独立企業へ移りました。ARC Advisoryはこの統合を「機器接続(Kepware)からIoTアプリ基盤(ThingWorx)、MES(Proficy)までを一社に束ねた」動きと分析しています。Verdantixは2025年9月の時点で「ベンダーの戦略的方向性を理解することが、ソフトウェア評価そのものと同じくらい重要になった」と指摘しており、この再編はその代表例です。

Proficyユーザー・検討中の企業への影響

製品面ではすでに変化が出ています。Proficy 2026リリースでポートフォリオ全体が階層型のサブスクリプション/ライセンスモデルへ移行し、Proficy Schedulerは完全SaaS化されました。既存ユーザーは次回更新時に契約条件が変わる可能性が高く、検討中の企業は「どの契約形態で見積もられているか」の確認が必要です。

既存ユーザー向けの具体的な確認項目はVelotic発足でProficyユーザーが確認すべきことの記事に整理しています。2025〜2026年の業界再編の全体像はMES業界の地図は2026年に書き換わったの記事を、サブスク移行が予算に与える影響はMESのライセンス体系の記事で詳しく扱っています。

この特集について

MESベンダーの再編

Proficyの売却、Tulipの資金調達、Gartner MQの終了。選定の前提が動いている 全12本

  1. 産業ソフトM&Aが半年で123件、MESを使う工場に関係はあるのか?
  2. SchneiderのPTC買収226億ドルを2本の年表で読む──設計データは合流し、Kepwareは別の道へ
  3. MES業界の地図は2026年に書き換わった、製品比較の前に見るべきベンダー再編
  4. Cognite買収:Schneider Electricが31億ドルで合意、AVEVAに統合へ(2026年6月30日発表)
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この記事を書いた人

株式会社サオス

株式会社サオス MESソリューション部

DELMIA Apriso を中核とした MES / 製造DX の導入・運用・人材育成を手がけるITコンサルティング企業。ISO 9001:2015 / ISO 27001:2022 認証取得。 日本・中国・米国で製造業のMES導入を手がけた実務者が、欧米・中国の一次情報にあたって書いています。